思考断片

マスメディアは、人々の目に映る世の中の景色を決定してしまう強大な力を持っている。

 

新聞、テレビのジャーナリズムは、報道している内容には嘘はないが、報道する対象を取捨選択することが、結果として世の中の見え方を不健全な形で歪める結果になってしまうことがある。

しかし、新聞、テレビのジャーナリズムは、何をどのように報道するかを自らの判断で、権力から独立した立場で決めるのが、その社会的使命であるということも事実だ。

世の中で起こっていることすべてにスポットを当てられないというのは避けようのない事実であるから、スポットを当てる対象は絞り込まなくてはならない。

その意味で、新聞やテレビ(特にテレビ)などのマスメディアは、人々の目に映る世の中の景色を決定してしまう強大な力を持っていることになる。

マスコミ各社は、そのことを自覚し、ほとんどの場面では、その行使にあたっては、細心の注意を払い、健全性を維持することにかなりの程度成功していると思われる。

しかし、何故かある特定の場面になると、大切なことに目をつぶるという形で、自らの強大な力を不健全な形で使ってしまうことがあるようだ。しかも、その特定の場面では、マスコミ各社がすべて同じ方向に動いてしまうのだ。

アメリカでは、マスコミ各社が、独自の主義主張を強烈に打ち出しているから、日本のように、ある特定のテーマにおいて、全てのマスコミがある特定の事柄に目をつぶってしまい、世の中の景色を不健全にゆがめてしまうことはないのかも知れない。

しかし、例えば、CNNとFOXニュースでは視聴者が完全に分かれていて、ちょっとしたきっかけで、社会の分断が進んでしまう危うさがあるのも事実だが。

[2024/11/21]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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