思考断片

パンの賞味期限

 

消費者がベーカリーのパンを評価するときの判断基準は、そのパンを食べた時の味だ。あるパンを焼きたての状態で食べれば、その味でそのパンを評価するし、焼き上がってから1日経った時点で食べれば、そのパンをその味で評価する。

「1日経っているからこの味だが、焼きたてだったら美味しいに違いない」などと好意的な想像力を働かせてくれることはまれだと思った方がいい。消費者はそれほど暇ではないのだ。

あるベーカリーのオーナーシェフが「ラーメン屋が羨ましい」と言った。理由は、丹精込めて使った自信作を常に最も美味しい状態で食べてもらえるからだという。

パンも食品である以上、最も美味しい状態で食べてもらわなくてはならない。しかし、ラーメン屋と違って、ベーカリーは客が購入したパンの食べる時期をコントロールできない。

ならば、リテールベーカリーのパンにも賞味期限を決めて、期限内のどの時点で食べても、美味しい状態で食べられるようにすべきではないか。

リテールベーカリーの多くの製品は、賞味期限を明記する法律上の義務はないが、作り手の中で賞味期限を決めて、その間の味を保証するのだ。

今の製パン技術を駆使すれば、方法は見つかるはずだ。あるベーカリーのパンをたまたま焼きたての状態で購入して、美味しかったから、また同じパンを買って、次の日に食べたら、美味しくなかったという経験は、多くの人が共有していると思う。

大手の包装パンは、消味期限が明示されていて、その間の味は保証している。作り手の責任として消味期限の考え方は導入すべきだ。

[2024/07/21]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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