思考断片
一部のリーダーたちの自己顕示欲や支配欲に由来する理不尽な振る舞いを許容する余裕など、もはや誰一人として持ち合わせていない。
「ジャパン アズ ナンバーワン」と称賛され、その経済力を世界に誇った古き良き時代の日本にあっては、その繁栄の源泉であった経済活動を遂行する数々の企業は、それら自体がルールであり、そのミッションを達成するための決まりごとは、誰しもが従うことが当然とされていた。
その中には、企業の繁栄のためには、個人の自由や権利を理不尽に制限するようなものも多く含まれていた。
企業活動において、各部署で必要になるのがリーダーの存在だが、その役割の性質上、周りにある種の威圧感を与え、周りの者を従える能力を持った者が重宝された。
この能力が、周りの者たちの利益にもなるように発揮される場合も多かったが、周りの者たちの神経をすり減らし、精神を蝕んでいくような方向で発揮されたケースも比較的頻繁に発生した。
ただ、後者のケースにあっても、経済成長という甘い果実を生み出せている限りにおいて、その理不尽さを許容できる優しさと余裕を多くの人たちが持っていた。
しかしながら、時が経って、経済的に没落した今の日本にあっては、一部のリーダーたちの自己顕示欲や支配欲に由来する理不尽な振る舞いを許容する余裕など誰一人として持ち合わせていない。
昭和の威圧的で少し残念なリーダーたちは、彼らが会社の繁栄のために必死になった過程で、その副作用として、どれだけ多くの人を傷つけ、その結果として社会にどれだけ大きな負荷をかけてきたかを、今こそ気づかなくてはならない。
[2023/11/29]