思考断片

国際政治の知恵の出しどころ

 

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって3週間が過ぎた。世界の食糧事情やエネルギー事情に大きなインパクトがあるため、リテールベーカリーが作るパンの原材料の価格高騰圧力をさらに強めるものと懸念されている。

しかし、その前に、21世紀において、あのような戦争が起こるのだという現実をうまく受け止められない自分がいる。世界の人々が平和で豊かな生活を送れるような世の中を目指すのであれば、戦後の世界秩序の枠組みの中で、色々なことはあるがみんなで知恵を出しながら、うまくやっていこうというのが筋であり、そのために国際政治があるわけだ。東西冷戦の中で、幾度となく訪れた深刻な危機に対しても、国際政治の知恵の力で、何とか解決策を見出してきたのだ。

そんな中で、一国の主権と領土保全を他国が真っ向からことごとく侵害するような戦争が起こったことに、世界は大きなショックを受けた。核兵器保有数世界一の国の暴挙であるがゆえに、恐怖を覚える。

旧ソ連と、アメリカを中心とした民主主義陣営との冷戦時代の対立が、ロシアのプーチン大統領が次第に追い詰められていった結果再燃し、爆発してしまったという格好だと思うが、爆発してしまった以上、国際政治のありったけの知恵を絞って、落しどころを見つける以外に方法はない。

「ロシアはもう敵ではない」などと言って来た西側諸国にも、平和維持のための世界の枠組みのバランスを崩した原因の一端はあるわけだから、みんなで知恵を絞って、崩れたバランスを一刻も早く修復しなくてはならない。

[2022/03/20]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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