思考断片

「面倒くさい」という決まり文句

 

 「面倒くさい」という表現がある。とくに若い人たちの間で使われている。自分にとって辛いことや、どうでもいいことに関わることを強いる人に対して、「面倒くさい」と言うことが多いようだ。特に人との様々な付き合いや関わりにおいて、決まり文句のように「面倒くさい」と、はっきりと言うようになったのは、最近のことだ。

 ある意味、人間の歴史は、弱者が解放されてきた歴史でもあり、その観点からは、これまで、理不尽に面倒くさいことを強いられてきた人たちを、苦しみから解放してくれる救いの決まり文句なのかも知れない。しかし、いくら救いの決まり文句だからといっても、その使い方と使う頻度を誤ると、自分を駄目にしかねないので、注意が必要だ。やはり、よく効く薬には、副作用があるのだ。

 僕がまだ学生だった頃は、当然まだこの救いの言葉はなかったのだが、先輩や頭の上がらない友人からの何気ない面倒くさい要求に、その時々で、真っ向から向き合って、様々な形で対応してきたからこそ、人としてのバランス感覚が身に付いたようにも思えるのだ。自分にとって、意味のないことを無理やりする必要はまったくないが、苦しいけれどやり遂げれば、一皮剥けるかも知れないことは、面倒くさがらずに挑戦する方がいい。

[2017/06/15]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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