思考断片

人材をできる限り多く育てることに尽力すること以上に、潰してしまう人材をできる限り少なくすることに心を砕かなくてはならない

 

ベーカリーの製造の仕事は多くの場合、何人かのチームで行う。チームには必ずリーダーがいる。そのチームが効率よく品質の高いパンを作り、店の売上を伸ばし、繁盛店に育てられるかは、リーダーの手腕にかかっている。

ベーカリーの製造現場のように、体をフルに動かしながら、それぞれがその時々に何をすべきかを判断しなければならない職場では、リーダーは、メンバーに舐められないような一定程度の威圧感があり、しかも、チームの各メンバーの性格を理解し、その能力が最大限に発揮できるように仕向けられる能力を有していることが求められる。

そうなってくると、リーダーになれるのは、生まれながらにそのための資質を持っていて、自覚を持ってその資質を磨いてきた人に限られるだろう。

人にはそれぞれ与えられた役割がある。リーダーの役割を与えられたものは、それが運命だと思って、自分の任務遂行に邁進し、多くの人材を育てなければならないが、その際に押さえておかなくてはならないことがある。

それは、人材をできる限り多く育てることに尽力すること以上に、潰してしまう人材をできる限り少なくすることに心を砕かなくてはならないということだ。

リーダーの価値観に服従するものだけのチームを作ることはもちろん大事だが、それに馴染めずにチームを去ろうとするものに対して、最低限の敬意を払うことも同じくらい大事だ。

リーダーの価値観に馴染めない人達を潰してしまったら、専制国家のリーダーの常套手段と同じことになってしまう。

[2023/09/21]

INFORMATION

小平隆一
(James Odaira)
株式会社ブランスリー報道社
代表取締役社長

青山学院大学英米文学科中退
武蔵野美術大学油絵学科卒業

東京都世田谷区在住
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